先ほど3月4日の第3回審理が終了した。
最初に述べると、審理のスピードが上がった印象を受けた。塚原裁判長は早口でサクサクと審理を進めていた。が、そのアレグロにリット(ブレーキ)をかけるのが、黒木睦子さんである。
「お聞きしたいのですが、裁判長は私の提出した書状を読んで、どういうふうに思われたのですか?」
今回またしても、黒木さんは裁判長をナチュラルに困惑させたのである。
10時50分。前回と同じ1号法廷に入廷すると、黒木さんは先に着席していた。今日のいでたちは黒のツーピースと淡い色合いのブラウスである。紫のふろしきに準備書面の一式を包んでいる。事務官が近くに寄ってき、一枚の書面をさしだしながら二言三言ことばを交わした。黒木さんは頷き、その書面に署名か何かをしていた。
10時55分に、日向精錬所の若手弁護士(今回はマスクをしていない)、次いでサンアイの
ダンディーな弁護士が原告側に着席した。かれらも書面のファイルを卓上に置き、裁判官の登場を待った。
11時00分。裁判官三名が入廷し、開廷。傍聴者は自分を含めて11名。塚原裁判長はいつものようにひょうひょうとした口調で、それでは審理を始めましょうかと宣した。「ワ86号・89号、損害賠償請求事件の審理を開始します。先ずは書面について整理しますが、原告サ・1号の第一準備書面ならびに第2準備書面を……」
早口でよく聞き取れないが、原告側の準備書面を裁判所は受理しましたよ、という確認を取ったようである。二人の弁護人が、はいと頷いていた。
「続いて被告ですが、被告の1号証1、2(と聞こえた)に添えられた……、これが原本であることを確認します」
すると書記官が裁判長に書状を提示した。裁判長は書面を確認すると、「これが原本であることに間違いはないですね」と被告席の黒木さんに訊いた。黒木さんが頷くと、続いて原告の弁護人に向かって、「原本であると確認しますか?」と問うた。若い弁護人は「いいえ」と答えた。確認するまでもないということなのだろうか。
その「原本」というものが、どうやら前回の審理で裁判長が被告に再三提出するよう要求していた「水質調査」のものであることは、さしもの私でも理解できた。その書類の名称は「乙1号証の1・計量証明書」と呼ぶらしい。全体に裁判長の発音が早口なうえ不明瞭なので、慣れない私は正確な記載ができないでいる。
「この、被告が宮崎県環境科学協会に調査付託をした計量証明書を、裁判所は採用しました」
と裁判長は念を押した。採用とはつまり、被告側の反論を検証するための証拠として採用した、という意味なのだろう。裁判長はさらに黒木さんに対して、
「この調査・検査にかんしての詳細な情報があれば、併せて提出してください。
たとえば調査した場所を特定できる資料や、調査にあたって協会の誰が立ち会ったか、などを」と申し添えた。
裁判長:「それで、この宮崎県環境科学協会からの資料の数値が、つまり基準の値が高いのか、低いのかを示す資料がありますか」
黒木:「基準の値、ですか?」
裁判長:「参考となる基準値の値を示していただきたい。裁判所としては、協会の資料に記載された数字の意味がわからない。高いか低いか。それが環境的に有害であるかどうか、の」
黒木:「資料の説明は、ありました」
裁判長:「それは、どんなかたちで?」
黒木:「電話でも、口頭でもありました」
裁判長:「それでは、その内容をまた、準備書面――主張ですね――と同じかたちでいいから、提出してください」
黒木:「……わかりました」
裁判長:「それから、陳述書で今までの状況を時系列的に書いてらっしゃるけどそれには『公害衛生センター』や『○○○○(聞き取り追いつけず)』などにも調査を依頼したとあります。そういうものも、併せて提出されてください。
さらに、お子さんの体調不良についてですが、それも今回の一連との『因果関係を示す』診断書などがあれば、それも提出してください。」
と、前回同様、今回も裁判長と黒木さんとのやり取りが続く。原告側の弁護人ふたりは、それを無表情にみている。かれらがなにを考えているか、傍聴席からはうかがい知れない。
裁判長はさらに、原告側の
訴状から、こういった部分についてを触れた。
「あなたが(ブログ等に)書いた、『金丸さん(サンアイ社長)と
暴力団とのつながり』を、具体的に示す根拠があれば、それも提出するように」
そこまで裁判長が説明したところで、黒木さんが逆に(冒頭の)質問を発した。
黒木:「裁判長。裁判長はどういうふうに思われましたか?」
裁判長:「どういうふうに、とは?」
黒木:「私の書いた陳述書を、裁判所はどう思ったかを教えていただきたいのです」
すると裁判長は、あきらかに困惑した。
裁判長:「裁判は、まず原告からの
訴状がありますね。それを受けて、被告が反論する。さらにその被告の反論にたいして、原告からの再反論が出される。それをくり返すことによって、争点が明確になります。準備書面は、裁判所が争点をはっきり把握するために必要なのです」
黒木:「では、裁判長は、書面を読んでどうお思いになったのか」
裁判長:「それは、こちらから、どう思ったかの説明はしません」
裁判長はやりとりを打ち切ると、次回の予定を決めましょうと舳先を変えた。
裁判長:「次回は、4月15日ではどうですか」
と原告に訊くが、原告側弁護人二人の調整がつかない。
裁判長:「それでは、4月24日、金曜日にしましょう。原告はそれでいいですね?(二名の弁護士頷く)
(被告に)どうですか?」
黒木:「その日はちょっと、困ります。というか、4月では困ります」
裁判長:「では、いつがよろしいですか」
黒木:「5月になりませんか」
裁判所:「そんな先に延ばされては……出廷に都合が悪い理由は何ですか?」
黒木:「子どもの具合がありますから、病院に連れて行かなくてはなりませんし」
裁判所:「それは、4月24日に既に予約しているから、ですか?」
黒木:「いいえ、違います」
裁判長:「では、24日に出廷してください。次回の審理は24日。午前11時に開始します。本日の審理は、これで終了します」
塚原裁判長、最後はまさに「切り口上」という感じだった。
これが第3回審理で交わされた法廷言語の一部始終である。前後の順番が多少違っているかもしれないし、聞き取りによるため文言が不正確であることを、あらかじめお断りしておく。
今回の審理で新たに分かったことは、
①黒木さん側から提出された「水質検査」の原本を裁判所は証拠として採用した。
ただし証拠とするにはなお不明な点があり、その部分にかんする記述を求めた。
②黒木さん側の反論の材料として、他の団体による調査の結果や、お子さんの健康を害したと証明できる診断書などの提出を求めた。
③原告の訴えであるサンアイ社長への
名誉毀損についての、証明できる根拠を求めた。
の3点であり、いずれも被告の黒木さんがそれぞれの反論を準備しなければならない。
思いだした。次の審理を延ばしてほしいと黒木さんは頼んだが、それにはこんな理由もあった。
「準備書面を作成する時間が足りないのです」
裁判長はそれに対してこう言い放った。
「書ける範囲でよいから」と。
裁判の迅速化と巷でよく言われている。たしかに、いたずらに審理を引き伸ばすのは良くないことなのだろう。でも、だからといって、拙速に判決を下されてはならない。それこそ争点があきらかになるまで、審理は尽くされなければならない。今回、塚原裁判長は、あきらかに裁判の進行を早めようとしていた。早めに結審したい気持ちはわかるが、一傍聴者である私には、それでよいのかという疑念がどうしてもつきまとう。
これは公害問題であるから、裁判自体に重きを置く必要はないという意見もある。私自身、半分以上はそう思っている。ケチをつけたかつけなかったか、暴言を吐いたか吐かなかったかなどは、当事者同士で、さしで勝負すればよいだけの話だと思う。
が、
いったん始まってしまった、この「損害賠償請求事件」を、あだやおろそかに扱ってはならない。地元の信頼も厚い一流企業である日向精錬所とサンアイが、一個人を訴えることで、なにをしようとしているのか。その真意を考えてみてほしい。あえて訴えることで、事態を収束させようとする意思が働いていると見るのは、私の穿ちすぎだろうか。
ソチ五輪に向けて祈祷師が頑張っているあのお国、ロシアから、BMW大炎上の動画が届きました。酷い駐車をする人はどこにでも居るものですが、さすがに文字通り車を燃やしちゃうとは、駐車する側もブチ切れる側も相当なものです。
ロシア南部の都市アストロハン。一見平和そうな住宅地の公園にポツンと停められた(駐車スペースではない)白いBMW X6が、ゆっくりと、しかし確実に、途中爆発もしながら、黒焦げになるまで燃えていく様が、30分に渡り記録された動画をご覧ください。
【大きな画像や動画はこちら】
動画50秒辺りから、BMWに黒いオイルをぶっかける人影が。オイルを掛けた後は着火。前輪と後輪あたりがきらびやかに燃え上がります。
主な見どころは
8分過ぎ:まさに大・炎・上と言った感じに。
9分過ぎ:炎で車体がほとんど隠れています。
11分50秒辺り:縦列駐車されている車のランプがチカチカ。爆風とかでカーアラームが作動したのでしょうか? それに合わせておっさんが出てきて縦列駐車されてる車の1台に乗り込みますが、BMWを包んだ炎がおっさんの車も包みそうでハラハラ・ドキドキ。
13分辺り:次々と人が出てきて、近くに駐車している自分の車を避難させてます。
17分50秒辺り:爆発!
19分30秒辺り:ロシアのマッスルパワーが近くに駐車している車を動かす! そして待てど暮らせど来ない消防車。もしかしてまだ誰も消防車呼んでないのかな...。
20分:挙動からして車の持ち主っぽい雰囲気のロン毛の人現る。
23分:やった! 消防隊員が出てきた! 炎と消火剤が入り混じる美しい光景。
24分:ここから数分間爆発が何度も起きます。
27分25秒:だいぶ炎が収まり、車の輪郭が見えてきたものの続く爆発。
27分45秒:消防士さんが心配になるような爆発!
28分19秒:目に見えた火は消えたみたい。
30分30秒:火はもう殆どないけど急に大爆発。車周囲にも飛び火。
なんかもっと別な方法で 暖を取れば 嫌がらせをしたらよかったのにとも思いますけど。それともこのワイルドさあってこそのロシアなんでしょうかね。うん、きっとそうだ。
[via Jalopnik]
http://news.ameba.jp/20140209-296/